| ・・・何分御静養の上、一日も早く、御登営奉希候、且又其家老横山主税呼出申聞候義、如何御聞取被下候哉、別て方今京師の様子、不穏に相聞、刑部殿(=一橋慶喜)始、一同深く憂痛至極に御座候、夫に付いても、京師御手薄にては、何分難相成、是非々々御請不被成候ては、公武御合体に至り兼可申と奉存候、当今右の仕合故、何卒々々一旦御請にさへ相成候へば、其上の御内願筋等は、乍不及小生尽力申度、是非御都合相成候様、取計申度奉存候、則今日も被為召候て、御尋も被為在、上にも殊の外御心配に御座候、私御役前に取ては、早々御出勤の上、一旦御請に相成候へは、大原への申訳も相立、第一尊奉筋に取り、最上の御都合に御座候、機会不可失、速に御英断被成下候様、奉願候、御国許の御都合も可被為在候へ共、夫迄相待候ては、則足下の御請遅引に及び、上の御尊奉筋に関係致し、不容易儀、右の所御決察可被下候、早々主税始へ御談、御返答可被下候、先用事のみ、早々不備。 土津公以来の家柄と申、当今の艱難を御亮察被下、只今御受に相成候へば、将軍家被為重、京師の御信義も相立、私共に於て、難有奉存候、激切の義申上候は、甚恐入候へ共、公方様が、御いたはしく、姑息の様に候得共、御心配の御様子見上候へは、落涙の外無之奉存候、*徳院殿の御血脈の公方様、土津公御末胤の貴兄に候へは、御情に於ても、御同情と奉存候、徳川氏へ信義相立、公武合体の有無は、貴兄の御受断不断にあり、小生泣て申上候も、方今:徳院様、土津公被為存候はは、必ず御受に相成可申と奉存候、未世に候へ共、御同情と奉存候、以上 松平春嶽 ・・・今朝申上げ候義、如何御聞取被下候哉、何分関心の次第、日々京師の事に就ては、焦慮一同罷在候所、段々の御尋も有之、御受御待兼被遊候御様子に被為在候、夫に付、今日退出より登館仕、御病床へ罷出、御断判致度候、早々不備 松平春嶽 出典:『七年史』(書き下しはヒロ) |
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